食生活について

緑茶、カテキンの効用

お茶を飲む習慣が日本に伝えられたのは奈良時代。遣唐使や中国から日本にやってきた僧侶たちによってもたらされました。栄西禅師が書いた日本最古のお茶の本『喫茶養生記』には「茶は養生の仙薬なり、延命の妙術なり」とあります。このようにお茶は、もともと薬のひとつとして伝えられたと考えられています。そこで今回は、山科茶舗やましなちゃほ代表・茶匠の山科康也さんに、緑茶に含まれる栄養成分の代表「カテキン」について健康効果や有効的な活用法を伺いました。

お茶は身近な健康飲料

緑茶にはたくさんの成分が含まれていますが、よく知られているのが「カテキン」「カフェイン」「テアニン」の三つ。その中でも一番含有量が多いのが「カテキン」です。緑茶の10~20%を占める渋みの主成分で、緑茶や紅茶といったお茶にしか含まれていません。その量は、新茶より二番茶以降の日光をたっぷり浴びて成長した茶葉の方に、より多く含まれています。つまり、カテキンの効果だけを求める場合は、玉露など一般に高級茶と言われているものより、比較的安価なお茶の方が良いと言えます。また、カテキンは80℃以上のお湯に溶けやすいので、熱湯を注いで飲むことをおすすめします。

カテキンの数ある働きの中から、とくに効果が高いと言われている健康パワーをご紹介します。

抗肥満効果
肥満や糖尿病のもととなる糖分や糖質の代謝を促し、コレステロールを分解します。
老化防止
緑茶に含まれる4種類のカテキンの一つ、エピガロカテキンガレートには老化や万病のもとになる活性酸素を抑制し、細胞の酸化を防止する働きがあります。老化防止のビタミンと呼ばれるビタミンCやビタミンEの数十倍の抗酸化力があると考えられています。
抗菌作用(食中毒の予防)
コレラ菌やO157などに対する殺菌効果や抗毒素作用を併せもちます。お寿司などの生ものを食べた後に濃いお茶を飲むのは、食中毒を防ぐためと言われています。
インフルエンザ
カテキン類はインフルエンザウイルスと体内の細胞が結合するのを阻止し、ウイルスの増殖防止に効果的と言われています。緑茶を頻繁に飲んだり、うがいなどを行うと良いでしょう。

その他、口臭・体臭・便臭の改善、動脈硬化や心臓病、高血圧や糖尿病、さらにはがんの予防にも効果があると言われています。

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お茶の栄養をまるごといただく

湯のみ1杯の緑茶に溶け込んでいるカテキンの量は約100mgで、なんとお茶を淹れた後の茶がらには約65%もの栄養分が残っています。カテキンをはじめ、お茶の栄養素をまるごととりたい場合は、食材に混ぜて食べるのが最適というわけです。たとえば、茶葉を小さく刻んで天ぷらの衣やケーキの生地に混ぜたり、簡単なところでは茶がらにちりめんじゃこを混ぜてポン酢をかけるだけでもおいしくいただけます。

「お茶としてだけで飲みたい」「料理に混ぜるのは面倒」という方には、深蒸し茶がおすすめです。普通の緑茶と異なる点は、生茶葉から緑茶をつくる蒸し時間。最初の工程で、普通の緑茶は約20秒〜40秒蒸すところを、深蒸し茶は1~3分と長い時間をかけてじっくり蒸します。そのため茶葉がもろくなり、お茶を淹れると湯呑みの底に細かくなった茶葉の粉が沈みます。それを残さず飲むことで、より多くのお茶の栄養成分をとることができるのです。

また、「種類が多過ぎて、どのお茶を選んだらいいかわからない」という方には、専門店での購入をおすすめします。味・価格ともに種類が豊富で、スーパーなどに比べて比較的良いお茶が安価で購入できます。目安としては、100g1000円程度のものが一般的ですが、自宅で毎食後に飲まれるお茶なら100g600円程度のものでも十分です。

また、封を開けたお茶は冷蔵庫で保存しましょう。お茶の葉は、湿気や他の食材の臭いを吸収しやすいので、密閉式の袋か缶に入れてください。封を開けていないお茶は、冷凍庫で2~3年保存していても風味が変わることはありません。ただし、冷凍庫から出してすぐに封を開けると湿気を帯びて鮮度を損ねる原因になるので、冷蔵庫に一晩置いてから開けるようにしてください。

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