食生活について

味噌の秘めたる健康パワー

伝統的な発酵食品として、日本食に欠かせない定番の調味料「味噌」。おいしいだけでなく、その健康効果も見逃せません。福岡市内で約50年にわたり、料理と食の基本を伝え続ける檜山タミ先生に、昔から日本の暮らしに深く根付いてきた味噌についてお話を伺いました。

各地に、各家庭に、自慢の味噌

味噌は、大豆・麹・塩を合わせて発酵・熟成させたものです。使用する麹の種類によって「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」の3種類に大きく分けられます。一般的なのは、大豆に塩と米麹を使用した「米味噌」ですが、九州では「麦味噌」が多く、東海地方では「豆味噌」が主で、その中でも「八丁味噌」が有名です。

寒い地方の味噌は塩味が強く、暖かい地方は甘いなど、味噌は郷土色の強い食品です。加えて、昔の農村ではそれぞれの家庭で作るものだったため、製法が代々伝えられ、各家庭の味がありました。味噌汁が〝おふくろの味〟と言われるのは、そうした歴史があるからなのです。

最近では、市販の味噌を購入する方がほとんどでしょう。スーパーなどに行くとたくさんの種類の味噌があって迷ってしまいます。そういうときには、とりあえずどれかを選んで、実際に料理を作ってみてください。いろいろな味噌を試してみながら、自分の味覚に合う味噌を見つけるのです。また、数種類の味噌を合わせて我が家の味を作り出すのも楽しそう。すでにすった状態の味噌も多く売られていますが、大豆と麹が粒のまま残っている粒味噌のほうがよりおいしくいただけます。いずれにしても、健康や栄養面を考えて、遺伝子組み換えの心配がない国産の大豆と自然塩を原料とし、化学調味料や保存料などの食品添加物が入っていない味噌を選ぶようにしましょう。

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酵素の働きで血液サラサラ

味噌の代表的な食べ方と言えば味噌汁。食材がもつ多くのビタミンやミネラルは水分に溶け出す性質があるため、具になる食材の栄養素を効率的に摂ることができます。塩分が気になる場合は、かつお節、昆布、いりこなどの旨み成分のある食品できちんとだしをとると、少ない味噌で十分においしい味噌汁ができあがります。また、わかめ、ほうれん草、里芋といったカリウムや食物繊維を豊富に含む食材を具にするとよいでしょう。カリウムや食物繊維は、塩分が体内に吸収されるのを防いだり、塩分の排出を促してくれます。その他、味噌にしばらく漬けるだけで簡単にできる味噌漬けも酒の肴や箸休めなどにおすすめです。

味噌の主原料である大豆そのものにも、良質なタンパク質や脂質、糖分、ビタミン、ミネラルなどの栄養分が豊富に含まれています。そこに、発酵という微生物の働きが加わり、栄養分が消化吸収しやすくなることで体が温まり、血行もよくなります。

多くの人の病気や体調不良の原因として、血中の老廃物の増加や血液成分の過不足などによる血行不良があげられます。そのため、日頃から味噌などの発酵食品を多く摂ることを心がけ、血行不良を改善しようとすることが予防につながります。血行が良くなれば新陳代謝の機能も促進され、老化や肥満の予防にも有効です。

このように、味噌は健康な生活をおくるために欠かせない食品と言えます。日本人の食事の定番である味噌の秘めたるパワーを改めて見直してはいかがでしょうか。

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