食生活について

梅のちからで元気な毎日を

いよいよ、本格的な夏の到来。暑くなると、さっぱりしたものを口にしたくなるものです。そんなときにぴったりなのが「梅」。梅干しをはじめ、梅酒、梅酢、梅ジャム……、爽やかな梅の香りで心身ともにスッキリ、食欲を増進させ、元気をよみがえらせてくれます。今月はそんな梅のちからをご紹介します。

中国から伝来した「梅」日本で生まれ育った「梅干し」

甘酸っぱい香りで、春の訪れを教えてくれる梅の花。そして、6月には青く新鮮な実が熟して黄色になり、収穫シーズンを迎えます。最近は、季節を問わずさまざまな野菜や果物が手に入るようになりましたが、梅だけはこの時期しか手に入りません。旬も短く、時季を逃してしまうと生の梅は入手困難になってしまいます。そのため、昔から梅干しや梅酒など長期保存できる加工食品にして、常備しておくのが一般的でした。

日本人にとって梅は、たいへん馴染みの深い食品ですが、もともとは大和朝廷の頃に中国から薬木として伝わってきたのがはじまりのようです。奈良時代には日本でも栽培され、平安時代にはすでにシソと一緒に漬けて梅干しに加工する方法が考案されたと言われています。鎌倉時代以降は食用や薬用として重宝され、とくに戦国時代には食欲増進など滋養強壮の目的で、武士にとっては欠かせない薬だったとか。江戸時代になると、それまで一部の人しか食べられなかった梅干しが、一般庶民の食卓にも登場するようになりました。

このページのトップへ ▲

パワーの正体はクエン酸健康維持に欠かせない有効成分

クエン酸サイクル図

梅を原料にしたさまざまな加工品の中で、最もポピュラーだと言えるのが梅干しでしょう。梅自体には栄養分はあまり多く含まれていませんが、梅干しにすると疲労回復効果や胃腸の働きを整える、クエン酸を摂取することができます。
梅干しの酸っぱさ、これがクエン酸。生物の生命活動に欠かせない有機酸のひとつです。体内でエネルギー源を燃やしてエネルギーにする回路を「クエン酸サイクル」とよびますが、クエン酸がこのサイクルの働きを活発にし、酸っぱい刺激で唾液を出させて消化を助け、食欲を増進させたり、新陳代謝を高めます。

梅は酸っぱいので酸性と思われがちですが、れっきとしたアルカリ性食品です。人間が健康であるためには、常に体液(血液や細胞液)を弱アルカリ性に保っていなければなりません。食生活が西洋化し、インスタント食品や加工食品の多様化によって、現代は昔に比べて酸性食品が多くなっています。そのため、梅などのアルカリ性食品を食べて、酸性を中和させることが大切なのです。梅干しにはカルシウム、鉄分、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。汗をかく夏は、ミネラルが不足しがち。ミネラルが不足すると、人間の体はバランスをくずし、いろいろな病気を引き起こす要因にもなります。夏こそ、梅干しを積極的に食べて健康に過ごしましょう。

このページのトップへ ▲