食生活について

うれしい効果がいっぱい梅は暮らしの万能薬

「梅は医者いらず」という言葉があるように、昔の人々は科学的な根拠など知らず、自身の体験から梅が体に良いことを実感し、活用してきました。前述したクエン酸効果による疲労回復、整腸作用、食欲増進といった体力増強の働きに加え、うれしい効果がたくさんあります。

食あたり、下痢

梅に含まれるクエン酸をはじめとする有機酸は、殺菌作用が強く、体内に入り込んだ細菌の繁殖を抑えて胃腸内の抗菌、滅菌効果を高めてくれます。昔から弁当に梅干しを入れると腐敗しにくいということはよく知られていますが、暑い季節の食べ物の腐敗防止にも有効です。

消化不良

酸っぱい梅干しは、唾液を出させる効果が高い食品です。唾液中には、アミラーゼという酵素が含まれており、エネルギー源となるごはんやパンに含まれるでんぷんの消化を助けます。

肝機能改善

酒、タバコ、脂肪分の多い食事、食品添加物など、私たちのまわりには肝臓に負担をかけることが多く存在します。梅に含まれるピクリン酸が肝臓の働きを助け、解毒作用をもつクエン酸が体の代謝を活発にして自然治癒力を高めてくれます。飲み過ぎや二日酔い、乗り物酔いなども解消してくれます。

風邪予防

食生活が偏って、体が酸性になると風邪をひきやすくなります。アルカリ性食品の梅を食べると、血液やリンパの流れがよくなり、抵抗力や免疫力がアップするので風邪をひきにくくなります。

美肌、老化防止

肌のシミ、シワ、くすみなどは内臓の老化が原因です。梅のクエン酸は、新陳代謝を促し、老廃物を体外に排出してくれます。血液の循環がうまくいくと、肩こりや腰痛、筋肉痛、むくみなども解消され、つややかできめ細かな肌を取り戻します。

ダイエット

新陳代謝が活発になることで、食べ物がコレステロールや中性脂肪などになって体に残りにくくなります。

他にも、血液サラサラ効果で心筋梗塞や脳梗塞の予防、不眠や便秘、冷え症の予防・改善など、さまざまな健康効果が期待できます。

[監修]安部 一紀

1941年福岡県生まれ。61年九州大学農学部卒業。農学博士。69年福岡女学院短期大学家政科講師、71年同大学助教授就任。同年8月から74年3月まで米・コーネル大学医学部筋肉病研究所へ留学。同年4月より、西南女学院短期大学食物栄養科助教授。76年4月より同大学教授に就任。79年に米・コネチカット大学医学部、81年に米・農務省ベルツビル研究所での留学を経験。95年4月より西南女学院大学保健福祉学部栄養学科教授、現在に至る。NGOネパール歯科医療協力会会長。