大学教授に聞く

「冷え症」の改善は日常生活の見直しから

冷え症を防ぐためには、体を温めて血液の流れを良くするのが一番です。お風呂に入ったり、衣服を重ねたりして体を温めましょう。また、自ら熱を生み出す体にするために、軽い運動で筋肉をつけることも大切です。筋肉が衰えがちな高齢の方、日頃からあまり運動をする機会のない方は、ぜひ運動を習慣にしましょう。自宅でも気軽にできる筋トレなどで筋肉をつけながら、ストレッチで血流を促進するようにすると良いでしょう。

そして何より重要なのは、食事の改善です。一般的に、冷え症の人は肉類や魚介類、卵などの動物性たんぱく質の摂取不足がみられます。同時に、三度の食事のいずれかを欠く、欠食の傾向も目立つようです。体を温める効果のある食材として、しょうが(ジンゲロール)、唐辛子(カプサイシン)、にんにく(アリシン)、コーヒー(カフェイン)、カカオ(ポリフェノール)、ぶどう(アントシアニン)などがありますが、冷え症を根本的に改善するためにはしょうが湯など効果が持続できるものが良いでしょう。また、生野菜や豆腐は体を冷やす食べ物ですが、栄養バランスを保つためには必要ですので、食べ方や調理法を工夫しながら、栄養をバランス良く摂りましょう。

冷え症の改善・克服に効果のある食べ物や食べ方を知っておけば、食事はもちろん、生活習慣の改善にもつながります。たとえば、キャベツやトマトなどの生野菜はスープにして食べる、じゃがいもやブロッコリーを茹でて温野菜サラダを食べるのがおすすめです。ファストフードなどの軟らかい食べ物ではなく、よく噛んで食べなければならないような硬い食べ物を選び筋肉量を増やす、夜は冷たいビールなど低温の飲食物は避け、しょうが湯など温かい飲み物を飲むといったように普段の生活を少し改善するだけでも冷え症の状態は変わってきます。“冷え”を感じたら、まずは日頃の生活を見直してみる。それが、冷え症改善の第一歩と言えます。

青峰 正裕(あおみね まさひろ)先生

理学博士
医学博士
中村学園大学栄養科学部教授
1969年九州大学理学部物理学科卒業。1974年九州大学大学院理学研究科博士課程修了。1975年九州大学医学部助手、理学博士。1983年~1986年米国ノースウェスタン大学へ文部省長期在外研究員。1990年大分医科大学助教授、医学博士。1991年中村学園大学教授。現在に至る。専門・研究テーマは大脳生理学、温熱生理学、栄養生理学。研究内容は「栄養による脳機能改善」「食因子による冷え症改善と予防」「糖尿病者になぜうつ病が多いか」など。著書・論文に「イラスト人体の構造と機能および疾病の成り立ち」(東京教学社 2007年)、「Nブックス生理学」(建帛社 2005年)などがある。