大学教授に聞く

油を使って加熱するのがポイント加工品も上手に利用

老化や生活習慣病の予防をしたり、美白効果を期待するなら、1日に15mgのリコピンを摂取するのが望ましいと言われています。15mgのリコピンは、おおよそLサイズのトマト2個分に相当します。しかし、サラダなどに使われる生食用の品種である桃色系トマトより、加工用の赤系トマトのほうがより多くのリコピンを含んでいるため、効率よくとりたい人には、生のトマトよりトマトジュース、ケチャップ、水煮缶などの加工品がおすすめです。たとえば、トマトジュースは約160g(1本弱)、トマト缶は約160g(2分の1缶弱)、トマトケチャップは約75g(大さじ4杯強)で15mgのリコピンが摂取できます。しかし、加工品は塩分や食品添加物が気になりますので、原材料や栄養成分表示などをしっかりチェックして選びましょう。

リコピンは、熱に強く、油に溶けやすいという性質があります。これは生のトマトも加工品も同じで、健康効果は変わりません。日本ではサラダや料理の付け合わせなど生で食べるのが一般的ですが、加熱することでトマトのかさが減り、一度にたくさんの量が食べられます。トマトソースや肉類の煮込みをはじめ、スープやシチュー、オムレツの具材にしたり、チーズをのせてオープンで焼いたりしてもおいしくいただけます。トマトの酸味が脂っこさを中和し、さっぱりとした風味に仕上がるので、脂っぽい料理が苦手な人にもおすすめです。

人が生きていく限り、活性酸素が発生するのは仕方のないこと。ストレスの多い生活をしている働き盛りの方ほど、積極的にリコピンを摂取することが大切だと言えます。これからますますトマトがおいしくなる季節。栄養がたっぷりつまった旬のトマトの力を借りて、暑さに負けない健康でイキイキとした元気な毎日を過ごしましょう。

主要なトマト・トマト加工食品中のリコピンの濃度

原孝之先生

理学博士
中村学園大学栄養科学部教授
1976年九州大学理学部生物学科卒業。80年中村学園大学・短期大学助手。83年中村学園大学家政学部食物栄養学科専任講師。84年2月より同大学を休職し、米ミシガン州立ウエイン大学化学科Research Assistant。86年2月同大学を退職し、中村学園大学復職。90年同大学助教授。2000年九州大学教育研究センター非常勤講師(細胞生物学)。02年中村学園大学栄養科学部栄養科学学科助教授。04年同大学教授。

竹島 美夏子先生

中村学園大学栄養科学部助教
管理栄養士
1988年中村学園大学家政学部食物栄養学科管理栄養士専攻卒業。中村学園大学助手、併任講師を経て2007年助教