大学教授に聞く

“善玉菌”が好む和食中心の食事を心がけよう

体内の乳酸菌は、食生活の乱れやストレス、過労などによって変動するという非常にデリケートな性質を持っています。そのため、日頃の食生活をはじめとする生活習慣を見直し、腸内環境を善玉菌が好む状態、つまり乳酸菌が増殖しやすい腸内環境を継続して保っておくことが大切です。

動物性や植物性に限らず、乳酸菌を含むヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬けといった発酵食品を積極的に食べたり、乳酸菌の栄養となる食物繊維と呼ばれるオリゴ糖などを含んだ食品、手軽なところで乳酸菌飲料やサプリメントを飲むのも良いでしょう。しかし、乳酸菌が腸内で生きていられるのは1週間程度なので、毎日乳酸菌を含む食品を摂ることが大切です。

私たち日本人には、昔ながらの和食中心の食生活が望ましいでしょう。漬物や野菜たっぷりの味噌汁は、サラダなどで食べるより一度にたくさんの野菜を摂ることができるので、食物繊維を多く摂取できるメリットもあります。ただし、漬物や味噌などの発酵食品はきちんと発酵した商品でないものもあり、そういったものは乳酸菌も少なく、効果は期待できないようです。また、市販の漬物の中にも、じっくり発酵させずに調味液に漬けて色や風味を添加物で補っているものもあるようですので、商品の表示を見て、塩分が少なめで、余計な添加物の入っていない商品を選びましょう。味噌、醤油、酢なども、昔ながらの手法でじっくり時間をかけた天然醸造のものがおすすめです。

最近では、和食を食べる機会が少なくなっている方も多いかもしれません。ぜひ、この機会に日本の伝統食品を日々の食事に取り入れて、腸内の「善玉菌」を増やすように心がけましょう。

石橋先生

農学修士
九州女子大学家政学部特任教授
九州女子大学・短期大学学長特別補佐
1969年東京農業大学農学研究科農芸化学専攻修士課程修了後、聖徳栄養短期大学助手。71年から九州女子大学講師、助教授を経て、92年から94年まで九州女子大学家政学部長、99年から08年まで福原学園評議委員、03年から07年まで九州女子大学家政学部長を務める。98年より日本食生活学会評議委員所属。03年から06年まで社団法人全国栄養士協議会理事に就任。主な研究活動として「乳酸菌発酵産生物の栄養学的検討」、「ヒアルロン酸を用いた食品の開発と脂質代謝への影響」などがある。