大学教授に聞く

食料不足から飽食の時代へ大きく変わった日本の食生活


「日本型食生活」とは「和食」でも「粗食」でもなく、1980年頃の日本人の食生活をモデルにしたもの。その食生活こそ、「栄養バランスが優れた食生活」として世界の注目を集めているわけですが、実際、以下に示した<エネルギーと食品別構成比の変化(A)>や<エネルギーバランスの変化(B)>のグラフから、1980年代の食生活は適正なエネルギー摂取量、理想的なエネルギーバランス、そしてごはんを主食にした多様な食生活のパターンであったことが推察されます。
粗食しかできなかった時代の日本人の平均寿命は50歳未満、食生活が少し豊かになった1947年に初めて50歳以上になりました。グラフAでもわかるように、この40年で日本の食生活は大きく変化しています。社会経済も豊かになり、摂取食品構成は著しく変わりました。主食である米類は約60%から30%へと半減し、副食となる動物性食品やその他の加工食品の摂取が倍増しています。そのため、エネルギー摂取量にはほとんど変化がないにもかかわらず、グラフBでもわかるように、炭水化物由来のエネルギー(C比)が低下し、脂質由来(F比)が増加しています。
この結果、栄養素などの欠乏症は減少したものの、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、骨粗鬆症など、栄養素の摂取過剰や不足・偏りが原因による栄養健康上の問題が増えました。「このままでは、健康で文化的な国民生活が危ぶまれる」という懸念から、「食生活指針」を実際の行動に結びつけるための具体的なツールの必要性が高まってきたのです。