大学教授に聞く

今回は野村先生に聞く
最近、美容と健康にいいとして人気を集めている「コラーゲン」。しかし、名前はよく耳にするものの「コラーゲン」がどういうものか、どんな働きをするのか、何を基準に選べばいいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、東京農工大学の野村義宏准教授に、私たちの体に欠かせない「コラーゲン」について伺いました。

体内のさまざまな場所で活躍するコラーゲン

私たち人間(動物)の体はタンパク質で構成されています。体内の全タンパク質の約30%は「コラーゲン」であり、皮膚、骨、(けん)、内臓の主成分です。コラーゲンはたくさんのアミノ酸が結合してできており、分子の大きさや構造の違いで「コラーゲン」「ゼラチン」「コラーゲンペプチド」に分けられます。「ゼラチン」は、そのままでは消化吸収の悪い「コラーゲン」を加熱して抽出・精製し、消化吸収しやすくしたもの。そして「コラーゲンペプチド」は、さらに消化吸収しやすいように、ゼラチンを細かく酵素分解したもので、アミノ酸を数個まとめて摂ることができ、水によく溶け、体への吸収も高い性質があります。

コラーゲン商品は、大きく分けて牛・豚のタンパク質から抽出した「動物性コラーゲン」と、魚のタンパク質から抽出した「海洋性コラーゲン」の2種類があります。一概にどちらが効果的だとは断言できませんが、海洋性コラーゲンのほうが吸収が早く、濃度を上げても臭いが出にくい性質があると言われています。

健康維持を目的としたコラーゲンの活用はドイツでの歴史が古く、中世(476年~1453年)初期から動物由来のゼラチンが食品として利用されてきたようです。古くからさまざまな研究者が「ゼラチンを食べることで痛みが減り、関節の状態が改善した」「ゼラチンの利用は関節症に対して古くからの家庭薬として知られ、高齢者の多くは料理用ゼラチンを食べている」といった論文を発表しています。

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コラーゲン不足は肌や体の老化を早める

私たちの体の至るところに存在し、細胞と細胞をつなぐ働きをするコラーゲンは、いつも“壊れては作られ”の新陳代謝を繰り返しています。年齢とともに新陳代謝のスピードが落ちるので、新しく作られるコラーゲンの量は年齢を重ねるごとに減っていくと言われています。また、年齢を重ねるごとに皮膚中に存在するコラーゲン量は減少するという研究結果もいくつか出されています。皮膚(真皮)の約70%はコラーゲンでできているので、高齢になると肌にハリやツヤがなくなってしまったり、乾燥してかゆみや湿疹が出たり、傷が治りにくかったりするのは、コラーゲン不足が一因かもしれません。

また、骨の成分の約半分はコラーゲンです。コラーゲンが不足するとその働きが悪くなり、骨が折れやすくなったり、関節の痛みといった症状が出てきます。量的な不足が最も顕著なのが骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。最近、骨密度が高いのに骨折しやすい人がいますが、骨格となっているコラーゲンが不足している典型的な例だと言えるでしょう。

このようにコラーゲンは、いつまでも若々しく、健康的な生活を送るうえで欠かせない成分。不足することがないよう、常に補給していくことが必要です。コラーゲンを摂取することで新陳代謝が活発になり、体内では常に新しいコラーゲンが作り続けられます。これにより、美肌効果だけでなく、高血圧予防、膵臓(すいぞう)がんの進行抑制、脂質代謝の改善、リウマチの炎症抑制、抜け毛や割れ爪などの改善が期待できると予測されています。

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