大学教授に聞く

今回は田中先生に聞く
今や世界一の長寿国となった日本ですが、一方で肥満、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の増加が社会問題にもなっています。生活習慣病の予防は「食事」「運動」「睡眠」といった「ライフスタイルの改善」から始まります。これら3つをバランスよく気をつけることが重要ですが、今回はその中から「運動」に着目し、福岡大学の田中宏暁教授に、運動嫌いの方や体力に自信のない方でも無理なく始められる「スロージョギング」健康法について伺いました。

「食事」「運動」「睡眠」健康を保つ3つのバランス

現代の日本は、過食や運動量の減少といったライフスタイルの乱れから、肥満の方が増えてきました。肥満は、生活習慣病を引き起こす大きな原因のひとつ。昔は大人がかかる病気だと考えられていた生活習慣病ですが、現在は子どもにまで広まっていると言われています。肥満になると、血液に余分な脂肪が多くなり、血管も不健康になって血液が流れにくくなります。そうすると、栄養素や酸素を全身に送ったり、体に不要なものを取り除いたりする働きが鈍くなってしまいます。また、筋肉に酸素が届きにくくなり、スタミナ切れなど体力低下にもつながります。

毎日を元気に過ごすために大切なのはスタミナ、つまり体力です。体力がなければ、少し動いただけでも疲れたり、病気にもかかりやすくなってしまい、気力や行動力までなくなってしまいます。人が生きていくための基本とも言える体力をつけるには、「食事」「運動」「睡眠」のバランスが重要となるのですが、この中から、今回は「運動」に着目しました。

運動と言っても、激しい動きをしたり、スポーツジムに通ったりする必要はありません。毎日の生活の中で少しずつ体を動かし、適度な運動習慣を身につけることが、肥満予防をはじめ、さまざまな生活習慣病の対策につながるのです。

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スロージョギングでスッキリ、健康な体に

しかし、実際は「肥満や生活習慣病の予防・改善には、適度な運動習慣が効果的」とわかってはいるものの、「運動は苦手」「学校を卒業して以来、ほとんどやったことがない」と二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか? そこで、気軽に始められるのが「スロージョギング」です。

そもそも、人間の体は他の動物に比べ、歩くよりもむしろ走るように設計されています。走るときにバネの役割をするアキレス腱は長く、地面を足で強く蹴るときなどに必要なお尻や背中の筋肉も発達しています。と言うのも、私たちの祖先は獲物を探し回ったり追いかけたりして「走る」生活をずっと続けていたからです。

ところが、長い年月を経て、いつしか現代の人間は走る能力が衰えてしまったと言っても過言ではありません。しかし、「走ることが苦手」、メタボリックシンドロームで「50mも走れない」という方にこそ、私がおすすめする「スロージョギング」で、楽しみながら走ってほしいのです。

ニコニコペースで走る。
「笑顔が保てる」「おしゃべりができる」くらいのペース。疲れたら歩いてもよい。

足の指の付け根で着地する。
「フォアフット・ランニング」
かかる衝撃はかかと着地の3分の1。
中高年や体重の重い人でも、脚腰を痛める危険が少なくなる。 歩幅を小さく、自分の体の真下に足を着くような感じに。

アゴは上げて、目線は上に。
走るときにアゴを上げると、背筋がしっかり伸びて、脚が引き上げやすくなる。腕振りは、ひじをおよそ90℃に曲げ、肩の力を抜いて前後に軽く振る。

口を開けて、呼吸は自然に。
口が開いていれば、自然に効率よく呼吸できる。息が荒くなってきたらペースを落とす。

1日の目標はトータル30~60分。
まとまった時間が取れないときは、10分×3回のように小分けして走ってもよい。
まずは1日15分からスタート。

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